『生まれる性別を間違えた』著:小西真冬
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性別適合手術とは一体…!? 前代未聞の衝撃エッセイ!
元男で性同一性障害の作者・小西真冬が女性の身体になるために、性別適合手術を受けた実体験を描く! ありとあらゆる痛み・苦悩を赤裸々にポジティブに再現した、異色のエッセイ漫画が登場!
【感想】
今回ご紹介するのはマンガ家小西真冬さんによる『生まれる性別を間違えた』です。
タイトルからして勝手に「性別違和とかがメインの内容かな?」と思っていたのですが、内容は性別適合手術メインで、今までに見たことないくらい赤裸々に綴られていました。
性別適合手術って手術内容やアフターケアの内容が内容だけに割りと濁してしまうことも多いのですが、この書籍では割りとガッツリ掘り下げていることに驚きました。
またご本人は女性と結婚しており、妻がいるということで、「こころが女性なハズなのになんで?」という疑問にもお答えしている形にもなるし、「配偶者のいる性別移行者」としてのロールモデルになりえているのかなと感じました。
【充実した手術描写】
前述したとおり、書籍の内容はほぼほぼ性別適合手術についてです。
しかも自身が受けた術法(スポーンテクニック)だけでなく、その他の術法(反転法・S字結腸法)も説明しており、他にも「なぜ男女で身体の構造が違うのに性別適合手術が可能なのか」という素朴すぎる疑問や
海外(おもにタイ)でする性別適合手術と国内でする性別適合手術との差(メリット・デメリット)についても語られていて、おまけに分かりやすい図解もあるので、これだけでかなり性別適合手術に詳しくなれちゃう内容です。
また術後のアフターケアである「ダイレーション」にも詳しく記されており、これから性別適合手術をする人にとっては力強い一冊だと思います。
【辛い部分も明るい部分も描く】
マンガの内容もちょっとこれ大丈夫?って思っちゃうくらいパロディ満載で読みやすく、絵そのものも情報が多くて、性別適合手術やダイレーションという文で説明するには難しい内容もすんなりと入ってきやすい作りになっています。
また著者も(浮き沈みは多少あれど)そのポジティブな明るさに救われている部分もあって、その半面、しっかりと辛い部分も描けているので、その緩急も作品全体のいい味になってると思います。
【まとめ】
こうして性別移行者のコミックエッセイとかを見るたびにいつも思うのが、私自身性別違和も感じていたし、性別適合手術もしたけど、感じ方や内容って人それぞれだなぁと。
特に小西真冬さんの場合、結婚もしていた、知り合いに性別移行者(MtF)がいた、病院も手術内容もダイレーションもまるで違うという環境も内容も違うづくしなので、違って当たり前かなーと思いますがw
とにもかくにもここまで「性別適合手術」に切り込んでいったコミックエッセイはなかなかないと思うので、興味のある方はぜひ
【関連作品】
■『僕が私になるために』→こちら
※平沢ゆうなさんによるコミックエッセイ。こちらも性別適合手術について描かれています。
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